ドライビング・インプレッション
現状のSPORTについて、TZIと比べたりしながら私なりの印象を以下に述べてみると。
良かった編
おいしい回転数は4000rpmを越えた頃
イエローが5700rpm、レッドは6200rpmあたりですが、4000rpmを越えた頃はキャブの吸気音も勇ましくまだまだ伸びていきます。5000rpmを越えてももっと吹けようとするのでタコを見てレッドに飛び込まないように要注意。
3000rpmから3500rpmあたりは今ひとつ
キャブセッティングの関係からか、回転が不安定に。スポーツキャブは低速と高速の間に当たるところの調整が非常に難しいらしい。高速道路の制限速度あたりが5速でちょうどこの回転数。ここを越えると途端に音が大きくなることもあり、急がないときの常用速度は1割減くらい。イリジウムプラグ装着で多少は安定するようにはなりました。
意外と粘る低速
スポーツキャブで低速は渋そうに思えますが2000rpm以下でも急加速でなければずぼらな運転も許してくれます。元々がファミリーユースのシングルカムなので結構低速も粘ります。乗ったこと無いけどツインカムの16Valveはどうなんでしょうか。
キャブ調整は必要なし?
無調整で車山の標高でも、ぐずることなく順調にジムカーナに参加。単に私が鈍感なだけかも。
高速の登りでも余裕
以前のTZIも速度がのっていれば中央高速の登りもOKでしたが、遅い車に引っかかって一端速度が落ちると登りでは速度を回復するのが大変でした。
SPORTでは5速に入れたままでも何とか加速できます。シフトダウンすれば当然気持ちよい加速が楽しめるので、結構ほかの車ともわたりあえます。
困った編
うるさい
遮音が後期型に比べてお粗末な感じ。車重軽減のために防音材の省略もあるのかも。で、速度が上がるにつれて会話やラジオの音量を上げざるを得ない。
ドアを閉める音が…
後期型でもドアを閉める音はパシャといった情けない音。SPORTはさらに情けないペシャという音。もう少し高級感がほしいが、フランスではたかがカローラクラスと思えば(基本設計も20年近く前だし)仕方のないことか。
太い足
純正サイズの185/60R14のタイヤサイズはシトロエンの足には太すぎでしょう。どうしてもドタバタ感が否めません。それでも購入当初に履いていたスポーツタイヤ(ダンロップFORMULA―W10)より履き替えたMichelinMXV3AGreenの方が多少はマイルドで燃費も向上。次はサイズダウンして後期型セダン純正と同じ175/65R14あたりにしようかな。でもMichelinは減らないんだよな。次はいつのことになるのやら。
キャブはいいぞ編
キャブ、要するにキャブレターは現在ほとんど絶滅状態。
これは排ガス規制で三元触媒を効率よく効かせるためには、排ガスの状態をO2センサーで監視しながらフィードバックして空燃比を調整することができる電子制御式のインジェクションが最適だからです。
しかし、キャブは長い歴史の中でアクセルに反応して回転に応じた最適な空燃比になるようにいろいろと工夫されてきました。特にスポーツキャブと呼ばれるウェーバーやソレックスを始めとする一部のスポーツキャブは、気温や湿度等に対して細かく調整できるようにし、エンジンに対して最適の状態を造り出すようになっています。
今の環境重視の時代に逆行してまでキャブがイイという人がいるのは俗に次の2点がたまらない魅力だからです。
・鋭いアクセルレスポンス
・豪快な吸気音
なぜインジェクションに比べてキャブのレスポンスは俊敏なのか。それはガソリンの粒子の大きさの違いが関係するのです。
皆さんはインジェクションのガソリンの噴き出し方を見たことがありますか?まるで水鉄砲のように一本の筋になって出てきます。これが短いインテークマニホールドを通ってシリンダに入るまでに気化させようというのです。土台無理な話。
これに対してキャブはご存じのように霧吹きの要領で吸い出され、しかもエマルジョン効果で空気と混ぜた状態でインテークマニホールドに導かれるように工夫されています。文字通り霧状となってシリンダに入ったガソリンはまさに火を着けて下さいといった状態になるのです。これはキャブならではの大きな特徴。
でも最近は直噴用に、より微細な噴射口を持つインジェクターが開発されてきていますので今後はどうなるのかな。
吸気音についてはキャブはその構造上ベンチュリといって口径を絞った形状をするので、そこで特に高回転域で「クオー」といった独特の吸気音を奏でます。
しかし、こうしてみるとどちらも環境重視のこのご時世に全くマッチしてないね。皆さんごめんなさい。
蛇足編
スフィア
SPORTに乗りながらスポーツ走行を大してしない私は、スフィアを通常のセダン系としてますので足周りは通常とたいして変わりないと思います。